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職場の日報やセキュリティチェックリストには、「パトロール結果」という項目がよく見られます。
これは、定められた時刻に特定のエリアを監視し、その観察結果を記録するためのものです。

何も異常がない場合、多くの人は「異状無し」や「異常無し」と記述していますが、実際にはどちらが適切なのでしょうか?

今回は、「異常」と「異状」の意味の違いと、それらを正しく使い分ける方法について解説します。

まず、「異常」と「異状」の意味を辞書で調べてみましょう。

 

「異常」と「異状」の定義

「異常」の定義

通常と異なる状況を指します。平常とは異なる状態やその様子を示し、反対語は「常態」です。
「異常な事態」や「今年は異常に暑い」といった表現に使われます。

「異状」の定義

通常とは異なる状態を指し、主に不穏な状況を表す際に用いられます。
「体調に異状をきたす」や「全員異状無し」といった使い方をします。

 

「異常」と「異状」の相違点

「異常」とは

「異常」の「常」は「いつも」を意味し、「異常」は「いつもと異なる」状況を指します。

また、「常態」の対義語として、通常でない状態を示します。
例えば「異常渇水」や「異常乾燥」などの状況に使われます。

「異常」は形容動詞としても機能し、「異常に緊張する」という表現が可能です。

「異状」とは

「異状」の「状」は「状態」や「現状」を意味し、「異状」は「異なる状態」を指します。

特に問題があるような状況に使われることが多いです。
例えば、レマルクの「西部戦線異状無し」のように使用されます。

「異状」は名詞として使われ、「異状に緊張する」という表現はしません。

 

「異常」と「異状」の使い分けの例

例えば、「施設をパトロールしたが、異状はなかった」という場合、「異状無し」と表現します。
これは、「パトロールして施設を確認したが、問題のある状態はなかった」という意味です。

もし施設の窓が開いていたり、廊下に足跡があった場合は、「異状あり」と表現します。

医師が検査結果を基に、「数値が常態であれば」「異常無し」と診断します。
しかし、患者が「胃に異常がある」とは言わず、「胃の状態が異なる」、すなわち「胃に異状あり」と表現することができます。

自動車の定期検査では、標準値から外れた状態を「異常あり」と表します。
一方で、ドライバーがエンジンの音やタイヤの状態に違和感を覚えた場合は、「異状を感じる」と表現します。

例えば、「エンジンの音に異状を感じるので整備士に診てもらったら、エンジンの異常が見つかった」という使い方になります。

医師の診断や自動車の検査で「異状」を感じ、専門家に詳しく調べてもらった結果、「異常」が見つかることがあります。
これは、「異常」が「異状」に先立って用いられることを示しています。

「異常」と「異状」を用いた例文

・今日の彼女の態度は異常だった。
・異常気象の原因は地球の温暖化にある。
・精神の異常は認められないと診断された。
・避難訓練で「全員異状ありません」と本部長に報告した。
・最近、聴覚に異状が感じられる。
・祭りの夜間巡回を行ったが、異状は見つからなかった。
・自覚はなかったが、健康診断で異常が見つかった。

まとめ

「異常」と「異状」の意味の違いと、それらの適切な使い方についてご説明しました。以下が要点のまとめです。

「異常」は
・通常と異なる状況
・常態でない状態

「異状」は
・異なる状態
・問題があるような状況

「異状」は「異常」に先立って用いられることがあります

職場の日報やセキュリティチェックリストにおける「パトロール結果」の記載では、「異状無し」とするのが妥当です。

「異常」と「異状」は、実際に使ってみるとその区別が難しいことがありますが、ニュースや新聞でこれらの言葉に触れる機会も多いため、注意深く観察し、適切な文脈で使用することが重要です。

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